戻る
記者会見の模様
無罪判決を得た杉浦さんの記者会見の模様。
記者会見は山際永三世話人の司会進行によって東京地裁・司法記者クラブにておこなわれました。
無罪判決の報告
「オウム関連・監禁事件」

97.3.18


被告人とされた人
杉浦実、片平建一郎、平田雅之
裁判所
東京地裁刑事第五部


 2年前1995年3月22日、オウム真理教団の上九一色村施設に最初の強制捜索が行われた際に、第10サティアンから6人の意識不明とされた人々が警察によって連れ出され、同時に、4人の信者が監禁の容疑で“現行犯”逮捕された。4月になって、その4人のうち2人の医者(片平さん、平田さん)と1人の信者(杉浦さん)が起訴されたが、その起訴は、意識不明だったという6人のうちの1人である元自衛官と、6人とは別の女性について、それぞれ前年12月頃からずっと監禁していたという公訴事実によるものであった。

 当時の報道によれば、「50人の意識不明者」などといわれていたが、これは全くの誇張で、その時連れ出された6人は実際に病人であった可能性が強い。6人のうち5人については、監禁の公訴事実から消えてしまっている。

 杉浦さんは、第10サティアンの責任者として監禁罪に問われたものだが、そもそも彼は“文部省”に所属しており、第10サティアン2階で行われていた子どもたちの教育の担当者であった。3階にいた病人とは全く関係のない人である。捜索の当日、捜索の立会人として警察官に付き添っていて、誤認逮捕されたものである。

 95年10月の初公判以来、杉浦さんに関して22回の審理が重ねられたが、彼が監禁に関わっていたという明確な証拠はいっさい現れなかった。検察官が杉浦さんの犯罪について立証するとしていた証人(2人)は、氏名も明らかにされないうちに結局所在不明ということで取り下げられた。1月28日の公判で結審となり、翌29日には勾留取消決定が出され、杉浦さんは1年10か月ぶりに釈放された。

 被害者の元自衛官の「供述」が、警察に利用されたとしか考えられない。

 大阪地裁刑事二部で審理されている「拉致監禁」事件は、同元自衛官を大阪から上九施設に「拉致」したということで、5人が被告人とされているが、全員無罪を主張している。

 杉浦さんに関して、2月21日に論告・弁論が行われ検察官は懲役3年を求刑し、弁護人は無罪を主張した。

 3月18日の判決は、杉浦さんを無罪とした。元自衛官の「供述」(杉浦さんも自分の監禁に関与していたように思うという主旨)は信用性がないと完全に否定された。

以上





戻る