「逮捕者の起訴状況」 統計の見方 |
逮捕された人のその後の起訴状況を示す統計。対象者はオウム信者、もしくは元オウム信者、もしくはオウム関連事件(村井氏刺殺事件など)、での逮捕者。対象期間は95年3月1日(オウム真理教全国一斉捜査のはじまった月)から98年5月10日。一人で逮捕を二回以上経験している人もいるため今回のような項目わけとした。例えばある時の逮捕は不起訴となり、別機会の逮捕に関しては起訴になった場合「逮捕と不起訴二つの経験者」という項目に分類してカウントしている。ちなみに三つ以上重複した人はいなかった。 |
「逮捕者の起訴状況」 解説 |
不起訴の多さは明らかに目立つ。上記の大まかな統計と別に細かい分類を紹介すれば、いわゆる「微罪逮捕」で極端に不起訴が多い。例えば「公務執行妨害罪」は35件逮捕し起訴は2件、「住居侵入罪」は30件逮捕し起訴は2件、「道路交通法違反」は28件逮捕し起訴は2件。このようなことから、身柄拘束という強制手段が安易におこなわれていたことが数字からもはっきりと読みとれる。世論的には「オウム事件は別」との見方により安易な逮捕を容認する風潮があったが、逆に「例外を認める前例をつくっていいのか」という疑問もある。 |
「起訴後の勾留者接見禁止状況」 統計の見方 |
起訴された勾留者に対し任意の人が接見可能かどうかの統計。対象者はオウム信者、もしくは元オウム信者、もしくはオウム関連事件(村井氏刺殺事件など)、での起訴後の勾留者。対象時期は、判決が確定した人で確定直前の時期が95年3月1日(オウム真理教全国一斉捜査のはじまった月)から98年5月10日の間に入るもの、もしくは98年5月10日時点で勾留者のもの。 *「拘留」は刑罰だが、同じ読み方で混同されやすい「勾留」は刑罰ではない。これは、判決確定前の被疑者または被告人を逃亡や証拠隠滅を防ぐために拘禁する処分のこと。 |
「起訴後の勾留者接見禁止状況」 解説 |
一般的に起訴後の勾留者は接見禁止が解除される場合が多い。なぜなら勾留者はまだ審理中で刑が確定していないからである。接見は「安心できる家族や友人・知人の顔を見る、会話をする等、人間が精神を安定させるために必要最低限な行為」であり、これすらも禁止することは深刻な人権侵害となりかねない。 今回の統計では接見禁止率60.5%となっており、これは異常である。また接見禁止がとけた人でも起訴後相当時間がたってから(例えば上告中)解けた例なども多く、純粋に起訴直後で統計をとれば接見禁止率はもっと高くなると思われる。接見禁止は今現在も続いており「このような事態は違法ではないのか」とオウム裁判対策協議会では問題提起する。 |