「書籍・論文のサリン資料」の概要紹介&三浦評価
資料1 |
|||
重要度
3〜1の3段階で評価/ 数が多いほど重要 重要度は三浦の独断 |
2
|
||
資料2 |
|||
重要度
3〜1の3段階で評価/ 数が多いほど重要 重要度は三浦の独断 |
3
|
||
概要
|
|||
記事はもちろん英語で書かれている。 いまはなくなってしまった河上イチローのホームページに翻訳が載っていた。これを参考にしながら、拙訳を試みた。 1、気になったのは、タブンとサリンの症状がどのような違いがあるのだろう、ということである。記事にあるthe dimming of vision(視界が暗くなる)、pin-point pupils(縮瞳)、muscle -twitching(筋肉けいれん)の症状は、サリンでもあると思うのだが・・? この記事での最大の注目点をあげてみる。 (1)NHKは、海外制作のビデオを入手したが、放映していない。 (2) について、こういうことがあるとは、薄々聞いたことがあるような気がするが、ほんとうにあるのだなあと驚いた。 (3)について、こういう症状をひきおこす物質はなんだろうか。マスタードガスはどうなのか。 (4)について、果物の匂いのようなというのが、甘い匂いだとしたら、ホスゲン(塩化カルボニル)が考えられるが、どうなのか。 (5)について、米陸軍の幹部が、被害者の症状とサリンの症状と比較してみて、何が一致して、何が一致しないのか。一致しないものは、なぜおこらなかったのか。こういう比較は、ぜひ実行してもらいたいものである。 2、被害者の血液のコリンエステラーゼ値が、タブンとソマンの混合物の濃度と一致したということだ。そうだとすると、サリンだけしかなかったとはいえなくなる。 ほんとうだとすると重要な情報だ。 また警察発表だと、事件に使用されたサリンは不純物が多量にまじったサリンだとされている。しかし、これだと毒性の持続性に矛盾がある、と記事で指摘している。 不純物が多量にまじったサリンで、8時間も毒性が維持されていたというのは確かにおかしい。日産の社員の件は、朝8時に被害にあって、午後遅くというから、4時すぎとみて、確かに8時間はたっている。とすると、この人が吸ったのは、オウムがまいたものとは違うものを、浴びた可能性がある。 4月1日号にもあげていた、海外制作ビデオを放映しなかった件で、メモをつくったのはsome authorityとしているが、具体的にどこなのか。 マスタードガスを確認した件。 つけ加えれば、日本経済新聞、産経新聞、共同通信が、日比谷線小伝馬町駅構内で、自衛隊化学部隊がびらん性ガスを検出した、という記事を載せている。マスタードガスはびらん性ガスに含まれる。 次が前から問題になっているアセトニトリルである。 東京消防庁が発表したのは知っていたが、警察もシアン化メチルの名で報告していたとは、初耳だった。どういう形で伝えたのだろうか。 やっぱりアセトニトリルが検出されたのではなかろうか。 でも、なぜ、警察はアセトニトリルのことを、あんなに必死に否定するのだろうか。 オウムからもこの物質も押収されているのだから、そんなにむきになって否定しなくてもいいのではないかと思うのだが。ほかになにかまずいことでもあるだろうか。 かわりにジエチルアニリンの方は、けっこう大々的に宣伝しているような気がする。 ホスゲンは、肺の血管を傷つけるので、鼻や口から血が出てもおかしくはない。 ホスゲンがあったのだろうか。 匂いの点からいえば、あっても不思議ではない物質である。 煙の件。 記事では、ホスゲンか、ドライアイスではないかという。 記事にはでてこないが、その他の見解として、当初、二種類の薬品を容器に入れ、踏みつけるなど衝撃を与えて、容器を割り、数分後にサリンを発生させる、というバイナリー方式を採用したのではないか、と言われていた。薬品が混合するときの反応、副生成物の発生が、煙として出たのではないかと、指摘されていた。 どちらにせよ、煙のことはうやむやになり現在に至っている。 タイトルが「絶対タブン」となっているが、記事の内容は、必ずしもタブンだけあった、とはいっていない。むしろサリンだけとする、警察発表に異議を唱えるの内容になっている。 しばらくぶりに、地下鉄サリン事件なるものを検証していくと、わからないことだらけだと、あらためて感じる。 事件現場にあったのは、可能性としてサリン、タブン、ソマン、ホスゲン、マスタードガス(びらん性ガス)、アセトニトリル、ジエチルアニリン、メチルホスホン酸ジイソプロピルなどがあげられる。 このうち警察が認めているのはサリン、ジエチルアニリン、メチルホスホン酸ジイソプロピルぐらいのものである。 |