荒木浩 (「オウム真理教(当時)」広報副部長)
初めに
破防法の問題については、私達オウム真理教の人間は、戦いにくい戦いを強いられています。私達が破防法に反対の声を上げれば上げるほどマイナスの効果を及ぼしてしまうという状況があります。破防法について熱心に話せば話すほど、その言葉は厚かましく聞こえ、議論を深めれば深めるほど聞く人の関心を削いでしまう状況です。
破防法の当事者は私達です。自分たちのことを本質的に語れば、宗教的な部分に触れてくるのは当然であるにも拘らず、この状況は破防法の手続きが始まって以来、慢性的に続いています。
すれ違いに終始した破防法の弁明手続きを見て、破防法を巡る状況がオウム真理教の不戦勝よりも不戦敗に傾いているように思えます。何故、当事者の声を聞いてもらえないのか。それについては、おそらく教団が、一連の事件について謝罪も反省もしていないからだという返事が返ってくることでしょう。この意見はある意味でもっともであります。
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