江川紹子 (ジャーナリスト)
破防法に反対
江川でございます。時間がなにしろ限られておりますので、結論の方から先にポンポンといきたいと思います。
まず私の立場の説明を説明しておきます。破防法に関してですが。今の時点で、現時点で今のオウムに今の形での破防法の団体適用は止めてもらいたいと私は考えています。
何故これだけ沢山の留保をつけたかと言いますと、例えば現時点で、ということで言いますと、松本サリン事件の前後、仮に警察がオウムに踏込む材料が無くても、公安調査庁は独自の調査でその材料を得たんだというようなことがあれば、私はあらゆる人権の中で一番大事なというか、重いものは命だと思っていますので、それを、多くの命を救う為ということであれば、私は反対しなかったかもしれません。あるいは麻原彰晃という教祖がもし仮に逮捕されていないという、そういうオウムに対してであれば、反対しなかったかもしれません。あるいは、破防法そのものの論議は色々ありますが、私は治安立法というものが全く無くていいという立場をとっておりません。
ただ、やっぱり実際に、今回の弁明の手続きなどを見ますと、法的な不備があると、そういう中での破防法には賛成できないという立場です。
去年のかなり早い時期に破防法の話が出ました。私はその時からずっと破防法はよろしくない、むしろ逆効果であるということを言い続けてきた訳ですが、破防法推進の方にはよく聞かれるんですけれども、「じゃあ、あんたは保障できるのか。これからオウムがなんにもやらないということを、あんたは保障できるか。もし何か起きたら、あんた、どう責任を取るんだ」ということを、ものすごく言われます。私はいつも「保証書は付けられません」という風に申上げています。例えば、どこかの子供が、今、すごくいい子に育っているけれども、大きくなったら犯罪者にならないという保証書は誰も付けられない。同じ様に、オウムの人がこれから何か重大犯罪をやらないという保証書は私には付けられない。ただやっぱり、いろいろ事実を考えてみようということを私は申上げることにしています。
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