月刊むすぶ99年10月号(No.346)掲載
「オウム事件」とくに松本・地下鉄サリン事件について
人権と報道・連絡会 山際 永三
私たちは最初から言っていたのだが、「オウム事件」に
は裏がありすぎる。“臭いものに、寄ってたかって蓋をす
る”から、こちらも、いよいよ意地になるのだ。
戦後だけみても、謎につつまれた事件というものはある。
三鷹・松川事件も小説家の推理はあるが、本格的な真相暴
露は、いまだである。歴史の曲がり角には、そういう謎が
つきものだとも言える。そのあたりを考えようともしない
“オウム・ウォッチャー”どもの薄っぺらな口舌には虫酸
が走る。
同時に、“オウム・ファシズム論”を言っていた政治至
上主義者たちにも、あきれるばかりだ。冷戦構造の崩壊以
外にも、世界史の転換要因はある。情報化社会の総管理体
制のなかでこそ、噴出してきた「オウム」という視点で、
考え直してもらいたいものだ。「オウム」の内部にも要因
はあった。しかし、それだけではない。
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