戻る
オウム信者による
山科ハイツ騒動の経緯説明

山科ハイツに住むオウム真理教信者 池田氏

入居経緯

 こんにちは、私は山科ハイツ256号室に居住している池田と申します。現在、問題の山科ハイツ256号室には私を含め5人が住んでいますが、まず、入居するいきさつについて紹介したいと思います。
 いわゆる前オウム真理教京都支部では、心の平安、本当の自由と幸福を求めて出家信者、在家信者共に日々戒律を守り、修行及び布教による救済活動等をしていました。

 その京都支部が95年10月31日に閉鎖するのに伴いまして、私達は半年も前から京都市内のあらゆる不動産屋さんに移転先を求めていたんですが、結果は既に公安の手が回っていることもあり、オウムの信者と分かって貸してくれるところは一つもありませんでした。

 仕方がないので、大阪支部に移ろうかという話が出始めたときに、現256号室のオーナーが当時のオウム真理教京都支部に飛び込みで「部屋を持っているんだけど、借りてくれないか?」と山科ハイツの所有物件を持ってきたわけです。


私たちは話し合いによる解決を望む

 もちろん私達は喜んで賃貸契約をしました。そして11月1日に入居したんですが、まず不思議な事に入居に関して、外部にはいっさい漏らしていないはずなのに、引っ越し当日に私達が入居することを住民は知っていました。引っ越しのことは外部にには漏らしていないのに・・・ただ、警察には言いました。私達に公安警察の尾行がついていたので、隠しても仕方がないので言いました。

 そのようなわけで、引っ越しの時にも少しもめたのですが・・・。

 入居したその日に住民が20人ぐらいで部屋の中を見せてくれと、私達の入居した256号室に念書を持って夜の10時頃だったかな?来ました。念書についてはこのような内容です・・・

<「次の内容について何ら意義申し立ていたしません。」一、住まいの公開。一、荷物の内容確認。一、写真撮影。以上。11月1日、山科ハイツオウム対策委員会>

 まあ、普通ならすぐさま印を押さないんですが、大人数で押し掛けられ、初めて念書を突きつけられた別の居住人がびっくりして印を押してしまったという事です。この念書をいいことに押印して2、3日後、住民が5〜6人ぐらいのグループで、多いときは30人ぐらいという事もありましたが「何号室の○○」と名乗ることもなく当然のように、それも抜き打ちで訪問して来て写真撮影をし、冷蔵庫の中まで開けて見ていきました。私達の方としては、既に様々なマスメディア等で否定的イメージ及び恐怖感を植え付けられ、ヒステリックになっている住民の方の不安は理解できなくもないので、私達の本当の姿を分かってもらうためにも、また、住民の不安感を取り除くことが出来るならばと、私達が少し我慢すればいいことですので、あえて立ち入り調査に応じてました。

 私達はあくまで「話し合いによる解決」を望み、立ち入り調査の時に住民の人達に話し合いの時間と場所の設定をお願いしたり、内容証明郵便で求めていたのですが、それに対しての返答は一切ありませんでした。



裁判へ

 それで仕方なく、私達の方で話し合いの時間と場所を求めて12月8日に京都簡易裁判所に調停を申し立てました。年が明けて1月26日に行われた第1回目の調停の日まで、ずっと立ち入り調査は行われていたんですけれど、結局この立ち入り調査で住民の理解を得ることはできず、結果的に対策委員会側に裁判の材料を与えただけで、まあ実際問題そのために来ていたようなものなんですけれども、裁判に至ったということです。

 現実問題として、 オウム真理教がやったとされる一連の事件があり、私達はその「オウム」の一員であると。将来麻原尊師の命令があれば何をするか分からないから怖いと。

 その麻原尊師の写真を掲げた祭壇が部屋にあり、不特定多数の関係者が出入りしているイコール宗教活動をしているとか、教団の拠点になっているとか、将来において私達がオウム真理教の組織的行為に加担してマンション住民に危害を加えるかもしれないとか、逃亡中の指名手配犯が出入りするかもしれないなど、それが住民の不安と恐怖に繋がり、安心して生活できないと。以上が区分所有法でいうところの「共同の利益に反する行為」に当たるとして裁判になったわけです。

 オウム真理教京都支部が閉鎖されたため、私達を頼って256号室を訪れる在家信者は何人かいますが、彼等の中には私達出家信者以上に社会的制裁を受けている人もいて、修行を通しての友人としてせっかく尋ねてきた彼等を私達は拒否することは出来ませんし、出来ることなら何でもして上げたいと考えていますが、それは組織的に布教活動をしようという分けでも何でもなく、単に信者どうしが個人的に集まっているのにすぎないわけです。



資産価値が下がったのは自業自得

 また、私達が入居したことで資産価値が下がっただとか売買契約がキャンセルにされたとか、入居率が下がっただとかいうことも主張しているようですが、つまり財産権が侵害されていると。しかしその要因はむしろオウム対策委員会が作っているわけです。

 オウム対策委員会の方が積極的にマスコミ取材に応じたり、道行く知らない人にまで知れ渡ってしまう程の、まるでデパートのバーゲンのようなとても目立つ垂れ幕をたらしたり、施設内の至るところに私達への名指しの貼り紙をしていることにより、必要以上に騒ぎを大きくしているのではないかと思うんですが・・・特にマスコミ取材については私達も仕方なく受けるときもありますが、むしろ報道されることで容易に想像のつく住民の不利益を考え、マスコミ関係者には山科ハイツと特定できないような写真、VTR撮影、映像処理、記事の書き方をお願いしているにも関わらず、そんなことはお構いなしに自分たちがテレビなどに出て山科ハイツの名前が同時に流れているのを容認しているわけです。 つまり、貼り紙、垂れ幕で施設の美観を損ねた上に、自分たちで山科ハイツは問題のあるマンションだと積極的に宣伝しているわけです。



私たちは何もしていない

 それを私達が入居したから資産価値が下がったなどと、とんだ濡れ衣です。「不安感」というのが最大の争点になっている訳ですが・・・住民側に言わせれば。 私達が一連の事件に対して「総括」していないと。事件を認めていないと。だから私達が将来いつ事件を再発させるか分からないから「不安」だということです。もちろん私達は犯罪を肯定するような教えを受けていませんし、一連の事件についても一切関与していません。教団内にいながら報道されたようなことは何一つ見たことも聞いたこともないんです。これは教団に出家していた信者の殆どがそうだと思います。 事件の解明に 対しては身近に感じている分、住民よりも「早く真実を知りたい」という気持ちです。本当に何も知らない私達は裁判の行方を追いかけるしか術はないんだと。



プライバシー放棄までしたのに…

 よく報道などでは私達一般の出家信者や在家信者までもが事件に関係したとされる一握りの幹部達と同様に、極めて危険な存在であるかのごとく扱われているので、たしかに住民がそういうふうな思いに駆られるのも致し方ないことなんですが、だからこそ無用な不安感、恐怖心を取り除くために私達はプライバシーを放棄してまで、抜き打ちでの立ち入り調査を受け入れていました。その抜き打ちとはどういう状況かと言いますと、もちろん事前連絡などあるわけもなく、まず、“ピンポーン”とチャイムが鳴る。「ちょっと、待って下さい。」と部屋を片づけてから受け入れようとすると、「そうやって時間稼ぎをして怪しい物を隠しているんだろう。こちらには念書がある。すぐ見せろ」などと言うので、散らかっていようが、食事中であろうが、とにかく押し入れや冷蔵庫の中まで、全て公開しました。写真撮影もです。



二十四時間監視のカメラ

 そして、現在監視カメラが設置され、私達の部屋の出入口に24時間焦点が合わされているんですが、何時何分に誰々が来て何時何分に出ていったなどと事細かく、着ている服の特徴や色などもVTRでチェックされています。さらに夜20:00から22:00までの間にオウム対策委員会の部屋に何人か委員が詰めていて、画面をチェックしているのですが、その時間帯に256号室から出て来た人をわっとみんなで取り囲んで「あんた名前は?どちらから来たんだ?何しに256号室に来たんだ。これだけの事件を起こしてまだ麻原を信じているのか。」などという形で一方的に詰め寄ってくるような事も起きています。今まで私達もかなり譲歩してきまして、その譲歩とは仕事から帰ってきて疲れているところを食事中であろうがなんであろうが、住民の理解を得るためにプライバシーを放棄し、立ち入り調査を受け入れてきたんだと。実際何もなかったじゃないかと。しかし住民は私達が今の信仰を捨てない限り、将来何をするか分からないと言う。

 しかたがないので調停を申し立て、話し合いで解決したいと努力して来たんですがそれも出来ず、裁判でしか解決出来ないのかと思うと残念でなりません。





戻る